マウントデリシャスの日記です。


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仙台の魔界

 『ネイチャートリップギター in 仙台』の為に前乗りしたので、ライヴ当日は昼間時間があり、現地の知り合いの鈴木君に案内してもらって、彼が勧める個人でやっている
不思議な美術館に連れて行ってもらった。それは住宅地の裏通りにある誰もいない倉庫の階段を上っていくと3階に突然あらわれる美術館で、まるで江戸川乱歩の小説の世界のようだった。

 電気も消えて誰もいないその部屋にはいると、奥の部屋から60才ぐらいの幽霊のような人が出てきて、部屋の電気をつけ、サティの音楽をかけてくれる。お金を払って北川さんという有名らしいシュール系の版画家の個展を見た。ランボーやカフカの若い頃の写真に不思議な線が引いてあるだけの作品には特に感銘は受けなかったけど、そのシチュエーションと、サティーの音楽はとてもはまっていて、ダウナーな良い雰囲気だった。一通り見たところで今度は小部屋に案内されお茶を出してくれた。

 その部屋にはシュール系の本、写真集などがびっしりと並べられていて、とても興味を惹く物が多かった。マンレイの写真集をみているとそこから話が始まり、館長である木村さんというその人は、仙台の美術界では有名で、大きな美術展のオーガナイズもよくやっているらしく、音楽はドアーズ、フー、ピンクフロイドが好きだと言って、俺のライヴもみたいと言った。

 夜になって、ennという仙台のライヴハウスでは、オープニングアクトが2つ終わり、俺のライヴが始まる直前、ステージに缶チューハイが届けられた。木村さんだった。

 前に演奏した俺のファンだという斉藤君のエアロスミス的なバンド、ラグドールでもノリノリで、メンバー全員にビールを配っていたらしい。俺のライヴも楽しんでくれたみたいで、楽しそうに飲みに行きましょうと誘われたので、鈴木君と一緒に木村さんの家に行くことになった。そこには斉藤君も誘われていた。

 夜遅く木村さんの家に行くと、還暦を迎えたという奥さんが酒やつまみの準備をしてくれていた。何よりも驚いたのはどこの部屋にも、2重の本棚が部屋を囲んでいて、気の遠くなるような数の本やビデオがあった。アンドレブルトンや澁澤龍彦の全集を始め、シュール系が多く、他には映画関係や、俺には名前も知らないような作家の全集がたくさんあった。サインをしてある三島由紀夫の本や、有名らしい作家の直筆文、貴重な原書で何10万もするような物もたくさんあった。

 その中でもベッドルームの一番奥に大事そうにしまわれていたのは江戸川乱歩だった。一緒にいた鈴木君は文学、アートに詳しいので、わりと話が弾んでいたが、俺は半分ちんぷんかんぷん、斉藤君にいたってはほとんど口がきけない状態だった。
 それに気がついた木村さんは何度か斉藤君の話を聞こうと、斉藤君に話す事を進めるが、斉藤君は話しは少しだけで、気がつくといつも木村さんがぶわーっと本や美術の話をしているのだった。

 私はもう寝ますからといていた、奥さんも最後にはグラスを持って参加してきて、熱
気にあふれていたサロンも木村さんが眠くなったのか2時に突然お開きになった。
 約10年ぶりの仙台の夜は、どこだかわからない場所からタクシーでホテルに戻り現
実に戻ったのだった。

Shake
c0082573_1035958.jpgアンドレブルトン、澁澤龍彦の全集をバックに。左上は鈴木君、右下は木村さん。左下はほとんど木村さんの話を聞くだけだった斉藤君。
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by mtdelicious | 2006-12-20 10:35 | shake